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筆頭論文が採択されました
2022年12月25日
反すう思考のモードである抽象的な思考スタイルと、反すうのカウンター的モードである具体的な思考スタイルのそれぞれが、就職へと移行する青年における、価値に沿った行動の増減にどのような影響を及ぼすのか、という縦断的調査を用いた研究です。
約750名の就活中の青年を対象に、1年間にわたって質問紙による追跡調査を実施し、抽象・具体的思考スタイルと価値に沿った行動、および抑うつの相互的な影響について、RI-CLPMという統計手法を使用し、検討しました。
結果として、CET(具体的思考スタイル)→DEP(抑うつ)のクロスラグパス(2か月後への影響)が負であり、CET→PRO(価値に沿った行動)のクロスラグパスが正であることが確認されました。特に、下図は、個人内の変動をとらえる手法を用いたもので、CETが(全体平均に関係なく)個人内で増加した者は、次の時点のうつが改善され、前向きな行動が増えるという結果を示すものです。
この結果より、青年期の反すうの問題はこの具体的思考スタイルの少なさにあって、その具体的な今を考える思考の減少が、長期的な問題解決行動を阻害し、落ち込みを増加させる可能性が示唆されます。つまり、単に反すうを減らすというよりも、適応的な行動の維持につながる思考への介入が有効ではないか、ということです。
ご興味がございましたら、ResearchGate等より本論文を拝読いただけますと幸いです。
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